フルハイトドア®の性能・耐久性
見えない部分まで信頼できるフルハイトドアの強さ
フルハイトドアは、その高さや意匠性で注目を集める一方で、「反りにくさ」「耐久性」「安全性」といった性能面でも確かな裏付けを持っています。KAMIYAでは、すべてのドアに対して独自の品質試験を繰り返し実施。美しさとともに長く安心して使えるドアであるための努力が、製品の本質を支えています。
高さのあるドアほど反る
──だからこそ必要な、
3つの独自構造
KAMIYAでは、この課題を根本から解決するために、3つの独自技術を採用しています。
スチールパイプ内蔵構造+空気循環方式
ドア内部にスチール製の補強パイプを通すことで、たわみやねじれに対する剛性を確保。大型のドアでも安定した平面性を保ちます。
内部に空気が流れる設計により、湿気の滞留を防ぎ、ドア全体の含水率バランスを均一化。季節による木材の膨張・収縮に対しても柔軟に対応します。
扉厚40mm

一般的なドアよりも厚みのある40mm設計により、構造全体の耐久性を高めながら、長期間使用しても変形しにくい安定感を実現しています。
この3つの技術が組み合わさることで、フルハイトドアは“高さ”という意匠を犠牲にすることなく、性能面でも信頼できるクオリティを両立しています。見た目の美しさだけでなく、使い続けて実感できる“強さ”こそが、KAMIYAのものづくりです。
厚みによって、反りはここまで違う
──40mmドアの実証結果

ドアの厚みが反りに与える影響を明らかにするため、通常の5日間照射試験ではなく、熱量を1.4倍に引き上げた「3時間の強制照射試験」を実施。あえて過酷な条件を与えることで、構造性能の差を検証しました。
比較対象は、一般的なドア(厚さ33mm)とKAMIYAのフルハイトドア(厚さ40mm)。その結果、反り量は以下の通りです。
- 一般的なドア:14.63mmの反り
- フルハイトドア:4.96mmの反り
反りの大きさは実に約3分の1。さらに、6時間の経過でフルハイトドアは反り量0mmまで自然に戻り、復元性にも優れていることが実証されました。
この結果は、「40mm」という厚みが単なる重厚感ではなく、長期使用における安定性と信頼性に直結していることを裏付けています。見た目の美しさを支えるのは、こうした数値に基づいた構造品質です。
過酷な環境を想定した、
多角的な試験体制
フルハイトドアの品質は、日々の徹底した検証の上に成り立っています。反りを検証する照射加熱試験はもちろんのこと、KAMIYAではその他にも多様な性能試験を実施。

たとえば、強い衝撃に対する表面材の耐久性を調べる「衝撃剥離試験」、急激な温湿度変化を再現する「二室反狂環境試験(写真)」、そして経年による反りや構造変化をシミュレートする「長期照射試験」など、いずれも実使用を想定した内容です。
さらに、こうした試験を支えるのは業界でも屈指の水準を誇る試験設備群。10年後、20年後の空間にも耐えうる建具であるために、KAMIYAは日々、木製ドアの限界に挑戦し続けています。
見た目だけでなく、時間と環境に裏付けられた信頼性──それが、フルハイトドアに息づく“本質的な強さ”です。
試験項目一覧
| 試験項目 | 試験方法 |
|---|---|
| 面内剛性試験 | ドアを枠に取付け、90°開いた状態でドアのラッチ部に30㎏の負荷をかけ、ドアの下がり等を測定。 |
| ねじれ剛性試験 | ドアを枠に取付け、90°開いた状態でハンドルの位置に30㎏の水平荷重をかけ、ドア下部の変位量を測定。 |
| 衝撃剥離試験(砂袋振り子)/ 衝撃強さ試験 | ドアを枠に吊り込んだ状態で砂袋(15kg/30kg)を使って衝撃を与え、全体の強度及び接着状況を確認。 |
| 衝撃剥離試験(鋼球落下) | ドアの一番弱いと思われる部分に鋼球(50g/100g)を高さ1mから落下させ、表面材の接着性能を確認。 |
| 開閉繰り返し試験 | 1分間に10回の開閉速度で10万回の開閉を行い、ドアの開閉機能に異常が無いか確認。 |
| 二室反狂環境試験 | 実際の施工に合わせて2室間にドアを設置し、各々の部屋の温度と湿度を変えて、ドアの最大変形量及び残留変形量を確認。 |
| 照射加熱試験 | 実際の施工に合わせてドアを設置し、表面温度40~45℃の熱を8時間照射し、その後16 時間放置する。 これを1サイクルとし、5サイクル行い、最大変形量及び残留変形量を確認。 |
| 開閉衝撃試験 | ドアを枠に取付け、45°開いた状態から15㎏の重さで扉を閉め、破損及び開閉機能に異常が無いか確認。 |